チタニアインプリントゲルによるキラル認識と蛋白の2次元標的化
Project/Area Number |
14740387
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
李 丞祐 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (60326460)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 分子インプリント / チタニアゲル / キラル認識 / 光学異性体 / 表面ゾルゲル法 / 位置選択性 / 超薄膜 |
Research Abstract |
分子認識に関わるホストの重要な役割は三つ挙げられる。第一は、一つの空間(包接空間)がホストの内と外で区別されることである。第二は、つねに内と外との物質の出入りが生じる動的な性質を持つことである。第三は、この動的性質を通して、ホストに入るものと入らない分子との選択が起こることで分子認識において最も重要なことである。特に、生体内で起こる分子認識は、タンパク質、核酸、糖質などのキラル分子を主体としたキラル認識であり、生命活動を支える最も重要な現象である。本研究では、このような生体の高度な分子認識を分子インプリントといった簡便かつ安定なホスト作成方法を用いて実現することを試みた。特に、金属材料(金属酸化物)を利用したキラル分子の識別に成功し、人工ホストの新たな作成手法として価値が認められた。また、生体分子との優れた接合性による新しいバイオインターフェースとしての機能が確認され、様々な分野への応用が期待されている。平成14年度から2年間に得られた研究成果を以下三つにまとめた。 (1)チタニアゲル超薄膜を用いたキラル識別:チタニアゲル分子インプリント超薄膜を用いたキラル分子の識別に成功した。また、水晶発振子(QCM)によるナノグラムオーダーの高感度モニターリングによる分子認識過程の追跡や反応機構の説明が可能となった。 (2)官能基に対する位置選択性の確認:チタニアゲルインプリント薄膜によるターゲット分子の官能基の位置識別に成功した。分子の構造のみではなく官能基の位置の違いを識別するためのゲルマトリックスの構造制御に成功し、様々な分子構造に対してその応用が検討された。 (3)構造制御を伴った超薄膜化技術の開発:これまでの超薄膜技術である表面ゾルゲル法に加え、新しくスピンコート法を用いた薄膜作製法を検討した。また、分子インプリント法を用いることで薄膜中の空間構造がより簡便に制御できることを実証した。様々な分子サイズに対して簡便かつ柔軟に対応できることから、実用的な分離材料や新しいバイオインターフェースの作成手段として様々な分野に大きなアドバンテージと新しい可能性を与えることができる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)