ミトコンドリアDNAの遺伝様式の解明と遺伝機構を支配する染色体の同定
Project/Area Number |
14740414
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
設楽 浩志 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ミトコンドリアDNA / ボトルネック効果 / 母性遺伝 / コンソミック系統 / ミトコンドリアDNA (mtDNA) / リアルタイムモニタリングPCR |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNA (mtDNA)の遺伝様式・機構を目指し、今年度はボトルネック効果(生殖細胞形成過程の一時期にmtDNAの分子数が極端に低下する現象)と精子由来ミトコンドリアの消失する染色体を特定するための実験を行った。ボトルネック効果については昨年度に引き続きさらに詳細な検討を行うため、汎用実験動物用マウスであるC57BL/6JのmtDNA分子の定量・測定系をリアルタイムPCR法により構築し、雌性生殖系列の単一細胞におけるmtDNA分子数の定量を行った。その結果、それぞれの細胞についてmtDNA分子数は{MII期卵細胞:1.57 x 10^5、前核期胚:1.74 x 10^5、2細胞期胚:7.13 x 10^4、4細胞期胚:4.79 x 10^4、8細胞期胚:2.11 x 10^4、胚盤胞期胚:4.83 x 10^3、PGC(始原生殖細胞)8.5dpc:3.32 x 10^2、PGC 11.5dpc:1.65 x 10^2、PGC 13.5dpc:3.19 x 10^3、GV期卵(直径~20μm):5.16 x 10^3、GV期卵(直径~40μm):5.83 x 10^4、GV期卵(直径~60μm):8.72 x 10^4}と計測された。本研究の結果から、細胞あたりのmtDNA分子数減少によるボトルネック効果はPGC移動期に起こることが確認され、これまでに考察されてきたsegregation unitの値(200)と同じであることから、ボトルネック効果はこうしたmtDNAコピー数の減少によって規定されていると推察された。また、精子由来ミトコンドリアの消失する染色体を特定するために、C57BL/6系統とは亜種となるMus musclus系統およびコンソミック・ヘテロソミック系統とmtGFP-Tg系統の交雑実験を行った。MSM系統、コンソミック系統については兄妹交配により、ヘテロソミック系統とmtGFP-Tg系統についはヘテロ接合型で系統維持を行った。精子由来ミトコンドリアの消失を開始するタイミングを体外受精および共焦点レーザ顕微鏡により検討したところ、媒精より10時間後より精子由来ミトコンドリアの消失する様子が観察されたが、検出限界以下となるのは多くの場合36-38時間後であった。現在までに、交雑実験の可能な、第4,14染色体についてのヘテロソミック系統との交雑を行ったが、同種間の交雑の場合との差は認められなかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)