Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き,データの収集を行い,異なる3つの季節での比較できるようにした. ニホンザルの成体メスを対象に,複数の観察者が個体を追跡し,その位置を記録した.ただし,発情したメスは,群れから離れることがあると言われているので,対象から除外した.同時に追跡する対象個体は,血縁関係の有無を考慮して選択した.また,異なる季節に調査を行い,それによって個体間距離が変化するかどうかを検証した. ニホンザルは血縁個体同士の社会的交渉が多く,血縁個体同士が近接していると言われている.今回は,より大きなスケールで測定してみても,やはり,血縁個体同士は近接している傾向が見られた.また,季節によっても,個体間距離が異なっていた.秋は,個体間距離が狭く,冬には広くなる傾向が見られた.秋には比較的質の良い食べ物が集中していることと,発情した成体オスによる攻撃が多くなるため,メス同士が集まっていることが関連していると考えられた.一方,冬は,質の低い食べ物が分散しているため,群れが分散するのではないかと考えられた. 今回,収集した夏の調査では,群れは極めて大きく広がり,サブグルーピングと呼ばれる群れが2つ以上に分かれる現象も頻繁に観察された.夏は,大きな食物パッチが無いが,小さな食物パッチを求めて高速で移動することが,サブグルーピングを引き起こしている一因になっていることが考えられた.
|