Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
植物の種子には発芽後の成長のために,大量の種子貯蔵タンパク質が液胞内に蓄積している.本研究では,貯蔵タンパク質が短期間に大量集積するメカニズムの解析を行った.貯蔵タンパク質はまず前駆体として小胞体で合成され,液胞に輸送された後にプロセシングされ成熟型として蓄積する.シロイヌナズナ変異体を用いた解析で液胞プロセシング酵素(VPE)が実際に貯蔵タンパク質の成熟化に関っていることをin plantaで初めて証明した.VPEを欠損する変異体では貯蔵タンパク質の成熟化が完全に阻害されていた.また,同様にシロイヌナズナ変異体を用いて,液胞タンパク質の輸送に機能する選別輸送レセプター(VSR)を初めて特定した.AtVSR1欠損シロイヌナズナでは貯蔵タンパク質が前駆体として蓄積し,細胞外へ分泌されていた.さらに,貯蔵タンパク質の輸送に異常を示すシロイヌナズナ変異体を単離し解析した.免疫電子顕微鏡観察の結果,貯蔵タンパク質を細胞外に分泌する系統と,分泌せず細胞内に異常な構造物が形成する系統が見つかった.前者はAtVSR1変異体と同様に貯蔵タンパク質の液胞への選別過程に欠損があると考えられた.後者の構造物は小胞体に由来すると考えられることから,輸送過程の初期に欠損があると考えられた.一部の変異体については原因遺伝子の特定を行い,分裂酵母の液胞タンパク質輸送に関る因子と相同性が見られた。これらの解析により,貯蔵タンパク質の生合成に関わる中心的な因子とともに,その全体像についても明らかにすることができた.
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