水素分子形成制御ドーピングによるシリコン結晶中自己修復機能発現に関する研究
Project/Area Number |
14750002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
深田 直樹 筑波大学, 物理工学系, 講師 (90302207)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 水素分子 / シリコン結晶 / 非平衡ドーピング / 欠陥修復 |
Research Abstract |
水素分子形成制御ドーピングを可能にするために前年度までに非平衡水素原子導入装置を開発した。今年度は、この装置により作製された水素分子添加シリコン結晶に電子および中性子照射を行い、照射に対する耐性、つまり、水素分子による欠陥修復能を検証した。以下に、具体的な成果を示す。 水素分子による欠陥修復能試験 1)キャリアへの影響 水素分子添加及び無添加のシリコン結晶に照射を行い、照射によるキャリア密度の減少に対する水素分子の抑制効果をホール測定により調べた。通常、照射によって結晶中に欠陥が導入されると、その欠陥が禁制帯中に深い準位を形成し、そこにキャリアが補償されるため、電気的に活性なキャリア濃度は減少する。しかしながら、予め水素分子を添加したシリコン結晶では、照射によるキャリア密度の減少を大幅に低減することが出来た。 2)分光的手法による欠陥修復ダイナミクスの解明 水素分子による欠陥修復のダイナミクスを明確にするために、次の実験を行った。照射により誘起された欠陥が水素分子と結合し、電気的に不活性になると、水素分子の振動スペクトル強度が減少し、代わって欠陥内に捕捉された水素の局在振動によるスペクトルが観測される。そこで、照射後に観測されるこの変化を、低温でのフーリエ変換赤外吸収測定およびラマン散乱測定を用いて詳細に調べた。その結果、水素と欠陥(空孔型欠陥と格子間型欠陥の両方)の複合体に起因した多数の振動ピークを観測することが出来た。また、水素によって不活性化されなかった欠陥の有無について電子スピン共鳴装置を用いて調べた結果、水素分子添加シリコン結晶においては、欠陥のスピン密度が極端に低減されていることがわかった。以上の結果から、照射損傷に対する水素分子の欠陥修復への有効性を示すことが出来た。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)