分子メスを用いた表面吸着分子の構造変化に関する研究
Project/Area Number |
14750020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
下村 勝 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (20292279)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | チオフェン / ピロール / ピラジン / 表面構造 / 表面ダイナミクス / シリコン / 光電子回折 / 光電子分光 |
Research Abstract |
分子メスによって結合を切断された分子が、その後どのような反応をするのかは非常に複雑な要素が絡んでおり、理論的に推測するのは容易ではない。そこで、本研究では実験的事実を積み重ねとして、次のような実験を行った。まず、清浄なSi(001)2×1表面上にヘテロ環状有機分子、チオフェン(C_4H_4S),ピラジン(C_4H_4N_2),ピロール(C_4H_5N)を飽和吸着させた後、シンクロトロン放射光を用いた光電子回折により、分子の吸着構造について詳しく調べた。この結果、チオフェンの場合、硫黄の吸着状態には2種類の異なる状態が存在することがわかった。1つは2,5-dihydrothiophene(DHT)-likeな構造であり、もう一方は分子が分解することによって生じた硫黄であると考えらる。さらに、シンクロトロン放射光を照射し続けることによって、後者が増加することを見出した。この結果は、Appl.Surf.Sci.誌に掲載された。窒素を2つ含んだピラジンの場合、その吸着構造について、複数のモデルが提案されており、その詳細は不明であった。本研究による構造解析の結果、ピラジンは2つのダイマー列間に入り込み、2つのSi-N結合による吸着を行うことが分かった。そこで、新たな吸着モデルを提案した。さらに、Si表面への分子吸着系としては初めて、分子の1次元鎖が形成されることを見出した。本研究結果は、Phys.Rev.B誌に投稿中である。ピロールについては現在光電子回折の解析中であるが、少なくともこれまでに報告されているモデルでは完全に実験事実を説明できないことまでは分かった。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)