600℃の高温と強いγ線照射に耐える流体式情報処理集積回路の研究
Project/Area Number |
14750041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied physics, general
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高尾 英邦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40314091)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 信号処理回路 / 微小電子機械システム(MEMS) / マイクロマシン / 流体式集積回路 / 超高温環境 / 放射線環境 / Fluidics / マイクロバルブ |
Research Abstract |
人類が近づくことのできない過酷な宇宙空間や原子炉内外における作業機械を将来開発するならば、500℃以上の超高温や強烈なγ線など、非常に厳しい環境下で動作する情報処理回路が必要である。本研究は、電子の代わりに流体を信号伝達媒体とし、電気-流体間の相似性を利用した集積回路をマイクロマシン技術で形成して、極限環境おける情報処理を可能とするものである。最終年度となるH16年度は、流体式集積回路の大規模化設計に向けた適用技術と、耐環境応用に重点を置いて研究を実施した。 1.流体式集積回路の大規模化適用設計技術 これまで、要素的な流体式集積回路の実現と動作特性の解明を行うべく、マイクロバルブ単体における小信号等価回路モデルの構築、動作特性の解明を行ってきた。多数のマイクロバルブを集積化する大規模流体集積回路の形成にあたっては、マイクロバルブのみならず、それらを相互に接続するマイクロ流路に関係する寄生パラメータのモデル化が重要となる。本研究では、回路配線にあたる微小流路を抵抗と容量でモデル化し、寄生素子の影響を踏まえた回路レベルの動作解析を行なった。RC遅延モデルで解析した回路特性は実測結果と良い一致を示し、大規模回路の設計で重要な信号伝搬遅延に関する基本的な解析手法を見いだすことに成功した。 2.流体式集積回路の耐環境応用 流体式集積回路は、過酷な環境下において高い特性安定性が期待される。耐環境用途において代表的技術であるSOI-CMOSとの放射線耐性を比較し、流体式集積回路の可能性を検証した。ドーズ量10^<15>cm^<-2>の放射線を照射したSOI-MOSFETにおいては、OFFリーク電流が2桁以上増加し、スイッチング特性が大幅に劣化した。一方で、シリコンの機械特性を利用するマイクロバルブはその影響を殆ど受けず、これまでに確立した技術を用いて高い耐環境性を有する情報処理回路を実現できる可能性が見いだされた。 以上の結果より、大規模化を可能とする流体回路の実現に関する基本技術の実証実験を行うことができた。また、本技術を用いた耐環境情報処理集積回路の実現にむけて、従来技術であるSOI-CMOSとの比較を行うことができた。従来にない高い耐環境性を有する画期的集積回路技術の実現可能性を見いだした。
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Report
(3 results)
Research Products
(20 results)