Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
身体運動の軸機関および支持機関である腰椎の疾患に対する診断において,疾患により生じた身体不安定性の程度を把握することは,適切な治療方針・手術手技を決定する上で極めて重要である.しかしながら,腰椎損傷と不安定性の関係を系統的に調査した報告はほとんど無く,腰椎不安定性を一定の基準をもって,客観的・定量的に評価する手法も未だ確立されていない.そのため,現在は個々の医師の経験や感覚に依存した主観的・定性的診断が行われており,医療現場において患者が平等な治療を受けることは困難な状況である.このような背景から本研究では,腰椎不安定性を力学的観点より定量的に評価するとともに,実際の手術現場において腰椎不安定性の程度を正確かつ簡便に評価し得る測定器の開発を目的とした.具体的には,種々の疾患・損傷をモデル化した模擬腰椎,イノシシ屍体腰椎およびヒト屍体腰椎に対し,前屈,後屈,側屈および回旋運動を想定したモーメントおよび圧縮荷重を負荷し,これらの負荷に対する腰椎の変形挙動を実験的に明らかにすることを試みた.また,既存の手術器具である止血鉗子等を改良し,腰椎の棘突起間に荷重を加えた際の反力-変位関係を評価し得る腰椎不安定性測定器の開発を試みた.さらに,これらの研究当初の目的に加え,大腿骨骨折治療の際の手術手技を容易にする目的で,形状記憶合金製の髄内釘を用いた新しい大腿骨骨折治療手技の検討を,ラット大腿骨を用いて行った.また,椎間板変性の程度を非侵襲・非観血的に評価することのできる診断システムの確立を目指し,MRI(磁気共鳴画像診断装置)における磁化移動効果を利用することにより組織の線維化の程度を定量値化し得るEquivalent Cross-relaxation Rateを用いて,腰椎椎間板の変性状態の定量的評価を試みた.これらの結果の詳細は,学術誌あるいは国内・国際会議において広く公表した.
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