Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では,骨リモデリング現象が本来有する階層性に着目しており,特に,海綿骨骨梁における細胞の生物学的応答から構造形成に至るプロセスについて,直接的な解明を試みるものである.本年度では,骨の構造要素形成における力学刺激および細胞レベルの生物学的応答の役割,ならびにミクロな構造要素形成からマクロな骨構造形成に至るメカニズムについて,計算機シミュレーションを用いて,以下の検討を行った. 1.骨リモデリングモデルに含まれるモデルパラメータの特性を明らかにすることにより,骨梁構造変化における生物学的プロセスの役割について検討した.その結果,力学刺激の大きさや,それに対する細胞の応答特性が変化することにより,リモデリングによる骨梁構造変化は,生理学的な範囲から病理学的な範囲に至るまで,様々なものとなる可能性が示された. 2.上記1.の特性を有する骨梁リモデリングがもたらすマクロな海綿骨構造の形成プロセスについて定量的に検討するため,骨梁構造変化のリモデリングシミュレーションを行い,形態特徴を表すファブリックテンソルと力学特性を表す弾性係数テンソルの時間変化を明らかとした.2つのテンソルの主方向と主値の大きさは,リモデリングにおいて,高い相関を保ちながら変化し,三次元的な異方性が重要であることが示された. 3.実際の骨組織の構造を詳細に再現するため,数億要素レベルの大規模計算手法を援用し,個々の骨梁構造変化を直接表現したリモデリングシミュレーションを,数10cmオーダーの骨構造全体に対して拡張出来ることを示し,その有効性を確認した.
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