Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
研究1年目は第一の目的である主流速度が零の乱流発生装置を設計製作した.4本の回転格子羽根を用いた独自の乱流生成機構で風洞では容易に得られない乱流速度を生成することに成功した.しかしながら,実験装置には多くの問題点が見つかった.初期の仕様では流れを自在に制御できることを目指して,4本のそれぞれの回転格子が独立に制御できるように設計された.しかし,それぞれが作り出す流れによって,回転を一定に保つこととそれぞれを同期して運転することが困難であることが判明した.この結果として,平均速度が予定していたより大きくなってしまったこと(平均速度が乱流速度の30%以上),循環流が装置内で発生すること,流れ場が対称でないことがわかった.そこで研究2年目では乱流発生装置の運転条件を前年度に比べ限定し,平均速度が十分に小さく(乱流速度の30%以下),流れ場が対称で定常運転できるように実験装置を改良を施した.このように流れ場を定常で平均速度が流れ場全体にわたってほとんど零にすることは,将来行う拡散の実験に重要である.新装置では4本の回転格子羽を両歯ベルトで一体回転させ,強制的に4本を同期させた.これにより,平均速度が十分に小さく,対称な流れ場を粒子が落下する鉛直方向にはほぼ一様な乱流を生成することに成功した.乱流レイノルズ数は200近くまで実現することができ,これは従来の実験装置では容易に到達できない数字である.乱流速度の水平成分と鉛直成分の比が1.5であり,等方性から若干ずれている.乱流発生装置については当初の目標をほぼ達成した.装置の乱流特性に関する発表は現在準備中である.しかし,もう一つの研究目的である粒子の運動の実験については,材料などの準備は並行して進めたものの,乱流発生装置の開発に研究期間のほとんどを費やしたために実施に移すことができなかった.
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