圧電素子をアクチュエータとした電子機器冷却用小型ファンの開発
Project/Area Number |
14750127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fluid engineering
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
増淵 寿 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (80280353)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 送風機(ファン) / 圧電セラミクス / PIV / マイクロマシン / 伝熱促進 / 熱線流速計 |
Research Abstract |
圧電ファンに関する従来の研究は、風速測定が主であり、ファン選定の際に重要となる「送風量-静圧特性」の報告例は見当たらない。そこで、本年度は圧電ファンの基本性能を測定し、軸流ファンとの性能比較を試みた。これまでの実験の結果から、圧電ファンの性能は、送風量が数十l/min程度、静圧も十Pa以下と微小な値になることが予想された。そこで、高精度のディジタル微差圧計と質量流量計とを用い、専用のファン試験装置を自作した。初めに、この試験装置を用いて特性が既知な市販の小型軸流ファンの性能を測定したところ、送風量、静圧とも誤差が5%以下で測定でき、試験装置の健全性が確認された。次に、この装置で圧電ファンの性能測定を実施した。軸流ファンの羽根車に相当する振動平板の形状・振動条件は一定とし、吐出口寸法のみを変化させ実験を行った結果、最大送風量は約40l/minあったが、最大静圧は3Pa以下と非常に小さかった。これは、吸込側にケーシングを設置せず、開放としてしまったことが一因と考えられる。この結果、高さが同程度(20mm)の軸流ファンと比較すると、圧電ファンは送風量では遜色ないが、静圧は劣ると判断される。一方、圧電セラミクスの消費電力はDCモータ駆動のファンと比べると1桁以上小さい数十mWであるため、総合効率では優位性を有することが実証された。なお、吐出口寸法と性能の関係については、開口部が大きいものは送風量が大きく、小さいものは静圧が高いことが明らかになった。 最後に、圧電ファンの特性を定性的に説明し、より高性能なファンを設計するため、流れ場の可視化を試みた。購入したPIV実験装置を使用したところ、これまで可視化が困難であった大振幅で振動する平板まわりの流れに対し、定量的な速度計測が可能となった。これにより、今後重要となる最適なケーシング形状の解明に向け、ほぼ実験準備を整えられたと言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)