臨界点近傍における圧縮性多成分系流体の特異的熱輸送に関する研究
Project/Area Number |
14750152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中納 暁洋 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (50344114)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 超臨界 / 人工空気 / 空気 / 窒素 / ピストン効果 / ソレ効果 / レーザーホログラフィー / 臨界点 / 最大露点 / 酸素分離 / 熱物質移動 / シャドウグラフ |
Research Abstract |
流体の臨界点近傍では比熱や圧縮率などの熱物理学量が発散するため、特異な熱的振る舞いを示す。単成分系流体の臨界点近傍における熱輸送に関しては、これまで数多くの研究がなされているが、多成分系流体についてはほとんど報告されていない。本研究の目的は多成分系の流体である空気の、相変化プロセスや最大露点近傍(臨界点近傍)での熱輸送現象を解明することにある。最終年度である本年度は、2成分系の人工空気(窒素79%、酸素21%)を用いて、実験セルの底部、及び、上部からそれぞれ加熱を行ったときの熱輸送現象を、レーザーホログラフィー干渉計で捉える可視化実験を実施した。実験セル底部から加熱を行った時、温度勾配の形成に伴い密度勾配が形成されるソレ効果を捉えることができた。一方、実験セル上部から加熱を行った時はソレ効果に加え、ピストン効果の存在を強く示唆する実験結果が得られた。このピストン効果で形成される密度場の特徴は熱流東が増すにつれ、より明確に現れることが確認できた。人工空気で得られた実験結果と通常の空気で得られた実験結果を比較すると、人工空気で得られた実験結果の方が、ソレ効果やピストン効果の特徴がよく現れていた。通常の空気の場合、窒素や酸素の他にアルゴンや微量の他の分子を含むため、現象が複雑になると考えられる。なお、圧縮性多成分流体においてもピストン効果による熱輸送が行われると予測していたが、本実験により、はじめてこのことを明らかにすることができた。 また、本年度は空気の主成分である窒素の超臨界域、擬臨界線周りで現れるピストン効果についての研究結果、及び、臨界点近傍において分子がクラスター化するという特性に着目した超臨界空気からの酸素の磁気分離に関する研究結果を国際誌上で発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)