Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
本研究では,作業対象からの拘束を伴う手先運動に着目し,環境特性に対する人間の随意運動制御特性を実験的に解析するとともに,その特性を利用した新しい運動訓練支援システムの開発を試みた.本年度は,前年度に開発した仮想拘束運動解析装置を拡張して人間の運動特性を考慮した上肢運動訓練支援システムを構築するとともに,上肢運動解析支援ツールを利用して環境条件に応じて変化する人間の手先操作特性の実験的な計測・解析を行った.主な結果を以下に示す. 1.上肢運動訓練支援システムの開発 前年度に開発した仮想拘束運動解析装置に,運動リハビリテーションの作業例として仮想カーリングを実装した.訓練者は,目標となる領域へストーンが到達するように,視覚フィードバックを基にしてロボットのハンドルを操作する.このシステムは,(1)訓練者の手先運動(位置,速度,加速度,力)を計測処理する運動計測部,(2)2自由度リニアモータ装置の極座標系による可変インピーダンス制御を行うロボット制御部,(3)コンピュータグラフィックスによる仮想作業空間を訓練者に提示する視覚フィードバック部で構成した.そして,ストーンの重さや床の摩擦など環境ダイナミクスを変化させて健常者による基礎実験を行い,新たな運動リハビリテーションとして本システムの有用性を確認することができた. 2.上肢多関節運動における手先操作特性の解析 次に,前年度に開発した上肢運動解析支援ツールを用いて,上肢多関節運動における人間の手先操作特性の解析を行った.その結果,人間の手先操作能力は上肢姿勢に依存して大きく変化するとともに,人間は運動方向になるべく操作能力が高くなるように筋骨格系を調節する傾向を確認できた.この知見を応用すれば手先運動と上肢姿勢の双方をバランスよく同時に訓練できる可能性があり,より効果的な上肢運動リハビリテーションを実現するうえで重要なポイントを見出すことができた.
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