レーザー分光法を用いたPDP放電セル内の粒子挙動計測と劣化診断
Project/Area Number |
14750212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
成 烈文 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50304837)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | プラズマディスプレイパネル / MgO / 放電劣化 / レーザー分光法 / プラズマ / 粒子挙動 / プラズマシミュレーション |
Research Abstract |
本研究はプラズマディスプレイパネル(PDP)放電における劣化過程を解明するため、PDP放電セル内の粒子挙動や劣化現象について、実験及び理論の両面から考察を行なうものである。まず、PDP放電セルを用いた放電劣化試験を行い、放電劣化特性を調べると共に、MgO保護膜の表面物性変化を観測し、劣化による影響を調べた。次いで、これらの実験結果を解析するために、計算機シミュレーションにより実験条件におけるプラズマ挙動と構造について理論的な検討を行うと共に、実際放電中の劣化現象を確認するためMgO保護膜からスパッタされたMg粒子の挙動についてレーザー分光(LIF)法を用いて測定した。これまでの結果は次のとおりである。 PDP放電セルに300kHzの高周波パルスを加え、放電特性及びMgOの表面状態を調べたところ、放電劣化により、MgO表面にわたるエロージョンと汚損の領域がそれぞれ局部的に存在することが確認できた。劣化放電条件におけるプラズマ挙動についてシミュレーションを行った結果、300kHzの劣化放電条件では維持電極のギャップ近傍に電界の集中が起き、そのため、高エネルギーを持つイオン粒子のMgO膜への入射が局所的に起きる。それによってMgO表面にわたるエロージョンと汚損がそれぞれ局部的に進展する。エロージョン優先領域は電極先端部近傍であり、この領域ではMgOの2次電子放出効率も最大となる。それ以外の領域では、表面汚損などの変化によって、2次電子放出効率の低下と共に放電電圧上昇など、放電劣化が進展することが分かった。さらに、模擬セルのエージング試験におけるLIF法の適応では、放電の初期段階においてMg粒子の信号は小さく、15時間以後にLIF信号が非線形的に増加し、放電初期に比べて約5倍程度まで増加することが分った。これはPDP放電における放電劣化によりMgO保護膜表面からスパッタされたMg粒子が放電空間中に浮遊することを実証するものであると考えられる。 PDPの寿命及び劣化における評価指針を確立するためには、MgO劣化過程において、これまでの結果をベースとしたさらに定量的な解析が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)