フェライトめっき膜による次世代モバイル機器用電波吸収層の開発と高広帯域化
Project/Area Number |
14750227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 伸広 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90229469)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 伝導ノイズ抑制体 / フェライトめっき膜 / 高広帯域化 / Ni-Zn-Coフェライト膜 / 伝導ノイズ吸収特性 / 反射特性 / 電波吸収層 / スピンスプレーフェライトめっき |
Research Abstract |
Ni-Zn-Coフェライト磁性層をZnO中間層で挟んだ積層構造の伝導ノイズ抑制体を開発する予定であったが、積層膜の磁気特性や高周波透磁率特性を考慮した結果、単層膜によるノイズ吸収特性の高能率化ならびに高広帯域化を更に進めることにした。高能率化のためのMn^<2+>置換、高能率化と広帯域化の両立の為のCo^<2+>置換を、昨年度備品で導入した溶液マスフローコントローラにより精密に行った。Mn^<2+>置換では際だった特性改善に至らなかったが、Co^<2+>置換では、膜組成をNi_xZn_yCo_zFe_<3-x-y-z>O_4すると、高能率化を図る目的のz=0.035において、200MHzから3GHzと極めて広い周波数帯域で虚数透磁率がμ_r">30と高い膜の作製に成功した。また、高帯域化を図るためにz>0.1とした膜では、強磁性共鳴周波数f_rが1GHzを超えた。これらの作製条件を元にNi-Zn-Coフェライト膜をプリント基板上に堆積したところ、平坦なガラス基板上の膜と比べるとμ_r'=15〜30程度と透磁率が減少するも、f_r=800MHz〜2GHzと広帯域化し、3GHzを超えるものも作製可能であった。そこで2〜10μmの膜をプリント基板上のマイクロストリップラインに直接堆積して伝導ノイズ抑制効果を評価すると、わずか3μm厚のNi-Zn-Coフェラィト膜でも5GHzにおけるノイズ吸収特性特性ΔP_<loss>が60〜70%と市販されているシート型のノイズ抑制体(50μm)の30%の倍以上と、膜厚あたりの吸収能率としては30倍以上の特性を得ることができた。反射特性S_<11>も-10dB以下と市販品と同程度かそれ以下であり、極めて優れたGHz帯域伝導ノイズ抑制体の作製に成功した。 本研究は上述の様に当初の目的を達成した以外に、フェライトめっき膜はその複雑な磁区構造から残留磁化状態によって透磁率値や周波数スペクトルの形状が変化するものの伝送信号損失には影響を与えないことや、低周波領域でも磁壁が殆ど動かず、透磁率はスピンからの寄与のみによることを確認し、フェライトめっき膜が高周波領域で優れた透磁率特性を得る仕組みを明かとした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)