Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,物体認識機能を工学的に実現するための新しい数理技術を築くこと,特に,階層的マルコフ確率場に現実世界の規則性を埋め込むことを目的とした.平成14年度に得られた結果をもとに,最終年度たる平成15年度において得られた具体的な成果は以下の通りである. 第一に,単純結合領域を生成するS.Geman & K.Manbeck (1993)の確率モデルを,各変数が二値をとるものに簡単化した.256×256の図形を扱う場合,Gemanらの手法では可能となりうる値が7万状態以上ある変数が存在し,計算量の問題があった.モデルを簡単化することにより,認識対象を正確にモデル化することができないことから,認識性能が落ちるが,計算機実験において,その劣化の程度を確認した.その結果,モデル化をある程度簡単化しても認識モデルとして使えることがわかった. 第二に,各変数を二値という簡単な素子で表現したことにより,上記のモデルを脳内の情報処理と結び付けることが可能になった.具体的に,視覚認識における(1)部分と全体の関係,(2)逆行性結合の意味などが直感的に理解できるモデルの具体例を示すことに成功した. 以上のような認識対象の確率モデルを作成する一方で,高次元の入力信号群から本質的に意味のある次元(たとえば3次元)の情報を取り出す手法を開発し,その応用に取り組んだ.具体例として,ロボットの視覚入力からロボットの位置と向きの情報を分離する技術を開発し、その有効性を計算機実験により確かめた.
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