Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,サプライチェーンを対象として,受注や生産に関する意思決定をできる限り分散化された要素で並列的に行うことを可能とする非同期型通信を用いた分散協調型の最適化システムの開発に関する研究であり,その研究実績の概要,および得られた知見は下記のとおりである. 1.非同期分散並列最適化システムの開発 3台のプロセッサとデータベースサーバから構成される非同期分散並列型最適化システムを開発し,開発したシステムは,移動ロボットの経路計画問題を極めて短時間で最適化できることを確認した. 2.非同期分散並列最適化システムにおける情報交換方式の検討 開発した非同期最適化システムにおける各サブシステムの情報交換方式として,シーケンシャル法とパラレル法において,ラグランジュ乗数やペナルティパラメータの更新法,および,これらの情報交換方式が最適化に必要な計算時間や得られる解の最適性に与える効果を検証した.その結果,情報通信時にラグランジュ乗数を更新する代理劣勾配法が有効であることを計算機実験により確認した. 3.局所的再最適化法の開発 問題の諸条件が時々刻々と変化する動的問題に対して,各分散要素が局所的情報のみを利用して,再計算を行う局所的再最適化法を提案した.提案した最適化法を分散並列型最適化システムへ実装し,その性能を検証した結果,提案した最適化法は,最適性を損なうことなく計算時間を約34%短縮できるという結果を得た. 4.非鉄金属工場を対象とした分散協調型サプライチェーン最適化システムの開発 鋳造,熱延,冷延の3工程から構成される非鉄金属工場を対象とした物流運用,および生産スケジュールを最適化することのできる分散協調型サプライチェーン最適化システムを開発した.開発したシステムと従来の階層構造を有する生産計画システムとの性能比較を行った結果,開発した分散協調型最適化システムが優れた性能を有することを確認した.
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