混和材を用いたコンクリートに対する電気化学的補修工法の適用に関する研究
Project/Area Number |
14750391
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
土木材料・力学一般
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 隆雄 徳島大学, 工学部, 助教授 (20284309)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | デサリネーション / 脱塩工法 / コンクリート / 混和在 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 塩化物イオン / 固定化 / 混和材 |
Research Abstract |
鉄筋腐食により劣化したコンクリート構造物に対する補修工法として、電気化学的手法であるデサリネーションに注目が集まっており、一部はすでに実用化されている。しかし、これに対して、フライアッシュや高炉スラグ微粉末などの混和材を用いたコンクリートに適用した場合の脱塩効果については未だ不明な点が多く、さらに塩害と中性化により複合劣化したコンクリートからの脱塩効果も十分に明らかにされていないのが現状である。 本研究では、Cl^-量で5.0kg/m^3の内在塩分を含むフライアッシュまたは高炉スラグ微粉末を混和した鉄筋コンクリート供試体を用いて、内部鉄筋の腐食状況を確認するとともにこれらのコンクリートにデサリネーションを適用した場合の脱塩効果を評価した。また、同様に作製したモルタル供試体から高圧抽出した細孔溶液の自由Cl^-濃度をもとに、混和材を用いた場合のCl^-の固定化性状ならびにCl^-の電気泳動挙動についても検討を行い、混和材を用いたセメント硬化体からのデサリネーションによる脱塩効果を検討することとした。なお、本研究では想定する劣化状態として、内在塩分による塩害単独劣化の場合だけでなく、内在塩分と中性化との複合劣化を受ける場合についても併せて検討を行った。 この結果、混和材を用いたセメント硬化体にデサリネーションを適用する場合、内在塩分による塩害単独劣化の条件下では、混和材の添加により細孔構造が物理的および化学的に変化することによって、自由Cl^-の電気泳動が阻害されるため、脱塩効果は低下した。これに対して、内在塩分による塩害と中性化の複合劣化条件下では、中性化の影響により細孔溶液中に遊離したCl^-が優先的に除去されることで、脱塩効果が向上した。また、いずれの場合においても、デサリネーションにより、鉄筋腐食環境が改善され、処理後の腐食進行抑制や防食効果持続性も確認することができた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)