Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究は,断層直近で発生する地震による橋梁の地震時応答は遠距離地震動と異なる特性を有するために,地震時の最大変位および地震後に生じる残留変位に着目し,断層直近で発生する地震動が橋梁構造物の耐震性に及ぼす影響について,解析および実験的に検討することを目的として実施するものである.本研究の結果,以下の点が明らかとなった. 1)断層直近で発生する地震動による橋梁の地震時応答では,主要動に含まれる数発程度のパルス状の地震力の作用によって最大変位に達する.また,最大変位と同等程度の最大変位が繰り返す回数は少ない.また,断層直近で発生する地震動に含まれるパルス成分によって著しく応答が励起されるために,周期によっては正側,負側のどちらか一方向に応答が偏りを生じ,大きな残留変位を生じることを明らかにした. 2)地震力によって応答が正負いずれか一方向に偏りが生じる場合について,鉄筋コンクリート製の模型供試体を用いた静的載荷実験を行った結果,正負両側に均等に応答が生じる場合と比べて,橋脚が受ける損傷は小さく,終局変形性能が1%程度大きくなることが明らかとなった.また,最大変位を与えた後,変位が漸減させるような載荷の場合では,変位漸増方式の載荷の場合に比べて同一載荷変位における再載荷剛性が低下するために載荷履歴に偏りが生じ残留変位が大きくなることを明らかにした. 3)非線形最大応答変位に対する線形最大応答変位の比である変位増幅係数は,遠距離地震動に比べて断層近傍で発生する地震動が作用する場合の方が,短周期構造物で大きな値となることが明らかとなり,変位増幅係数を用いた構造物に生じる非線形最大応答変位の推定が耐震設計において重要であることが明らかとなった.
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