Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
研究機関の最終年度である本年度は,これまでに得られた研究成果をまとめて公表するとともに,補完することが必要と判断した弾性的挙動領域における変形係数(以下,弾性係数)の異方性と弾性係数における他の地盤材料との違いについて研究した. 研究成果の公表については,2005年9月に行なわれる第16回国際地盤工学会議に投稿した本研究期間で得られた成果をまとめた論文が採択されたことで,一定の成果が得られたと考えている.また,今後ジャーナルなどへの投稿を予定している. 弾性係数の異方性については,予圧密された再構成粘土の切り出し方向が90度異なる供試体を用いて実験を重ね,等方応力下では水平方向のヤング率,堆積面と平行に伝播するせん断波から得られたせん断弾性係数の方が,鉛直方向のそれぞれよりも大きいことが確認され,粘性土の各種弾性係数は粘土土粒子が扁平であることによって生じた構造異方性の影響が大きいことが分った.またこれら鉛直・水平方向の弾性係数の大小関係などは,Yimsiri & Sogaが提案しているマイクロメカニクスモデルによって十分評価が可能であることが分った. 次に,弾性係数における他の地盤材料との違いについては,古くから多くの研究が成されてきている砂質土,とりわけ多くの研究成果が公表されている豊浦砂に着目し,応力履歴などによって生じる弾性係数の増減メカニズムがどのように違うのかを明らかにするため,豊浦砂を用いた実験を重ねた.その結果,砂質土は応力履歴によって生じる密度(間隙比)変化が小さいために,拘束圧による効果が顕著に現れるのに対し,粘性土は応力変化がそのまま大きな密度変化につながるために密度変化による効果が顕著に現れる.この点が砂質土と粘性土の弾性係数の増減を表現する関係式における応力パラメータに違いを生む要因であることが推察された.また,砂質土の弾性係数評価にもマイクロメカニクスモデルは有用であることも確認した.
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