バイオエナジェティクス理論による魚が湖沼の富栄養化現象に与える影響の定量化
Project/Area Number |
14750423
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | バイオエナジェティクス / モツゴPseudorasbora parva / 成長効率 / オオクチバス / エコロジカルモデリング / エネルギー収支 / 採餌行動 / スクーリング / 小型魚類 / 瀬と淵 / 流速 |
Research Abstract |
湖沼の富栄養化において、炭素や栄養塩の循環の面から魚の果たす役割は極めて大きい。ところが、この量を定量的に測ることが困難なために、様々な状況下において、魚の行動の中で費やされるエネルギー収支を求めた。まず、湖沼を想定した水槽中にわが国の代表的雑食魚であるモツゴを入れておき、餌の消費、排泄、および成長に伴うエネルギーを求め収支を計算した。次に、捕食魚が存在する中で、行動パターンの変化に伴う餌の消費の変化およびモツゴの成長量の変化よりエネルギー収支を求めた。さらに、エネルギー収支をより明確に捉えるために、今度は、複数の流速の異なる流水場、および、捕食魚が存在する流れのない避難所を設けた流水場で、餌の摂取量の変化、成長パターンに表れる変化から、流れがエネルギー収支の変化に現れる影響を把握した。特に、餌の場所を流れ場に置き、流れ場でのエネルギー消費と餌の摂取のトレードオフの関係を把握した。これらの実験結果より以下のような新しい所見を得た。 1.捕食魚が存在する中では、被捕食魚の行動が制限されるために、遊泳によるエネルギー消費が減少、成長は増大する。 2.流れが存在する場合、流速が大きいほど成長は妨げられる。しかし、避難所がある場合には、成長を最大にするように、餌の摂取の可能な流れ場に留まる時間を決定する。 3.流れ場の流速が速くなると魚の形状は細長くなり水流の抵抗の増加を抑える。しかし、避難所に長時間滞在が可能な場合には、こうした傾向が現れない。 4.流速場での採餌行動はエネルギー損失を抑えるために群れを作って行われるが、流速が大きくなると群れの中の魚の数が減少する。 5.捕食魚がいる場合には、一般に群れの中の魚の数は増大する。 以上のような結果を基に、魚の成長に関する数学モデリング、同時に行った植物等湖沼の他の要素の生態実験およびそれに基づくモデルとの連結を引き続き行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)
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[Publications] Tilak Priyadarshana, Asaeda, T., Manatunge, J., Fujino, T., Gamage, N.P.D.: "Dynamics, Threats, Responses and Recovery of Riverine-Riparian Flora"Theme 1.6 Natural Resources Systems Challenge, Encyclopedia of Life Support Systems. (2002)
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