Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
明治時代に時の政府に雇われた外国人技師によって,木曽川や淀川に水制が設置された。設置後の水制は,一部が洪水によって破壊され,100年以上経過した現在,水制周辺には土砂が堆積し,植物が繁茂している.こうした水制が創出する水域において,平水時に本川と接続されているものは「ワンド」と呼ばれ,平水時に本川と接続されていないものは「たまり」と呼ばれている.ワンドあるいはたまりの存在が水辺の生態系に良好な影響を及ぼしていることが注目され,多くの研究が行われてきた.木曽三川水制技術検討委員会は木曽川のワンドの変遷を類推した.その結果,木曽川ワンドは明治時代からしばらくの間はあまり地形的変化がなかったが,最近の数十年で急激に現在の地形に変化したことを指摘した.木村らは木曽川の河口から19Km地点のワンドを対象として詳細な検討を行った.このワンド内には砂州が形成されているが,感潮域であるために砂州は一日に約2回の潮汐の影響を受ける.満潮時前後では水が砂州に浸透するが,干潮前後では逆に砂州から水がしみ出てくる.木村らは現地調査を進めるうちに,干潮時に木曽川の堤防にスポット状の湧水が出現することを発見した.この湧水は長良川からのものと類推されたが詳細な検討はなされなかった.本研究による調査結果より,木曽川の河口から19Km上流のワンドにおいて,堤防付近にスポット状の湧水流が発見された.ここは堤防を挟んで長良川と隣接している領域である.湧水流の流速が長良川との水位差に応じて変化していることや,湧水流の水温が他の浸透流のものと異なることから,この湧水流は長良川から浸透してきたものと推察された.地下における水の挙動を簡単にモデル化して解析した結果,一つのスポットから一日に35〜40m^3もの湧水があることが推測された.
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