Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,コンクリート材料を粗骨材-モルタル-界面からなる複合材料として考え,その力学挙動を解明するための数値解析的手法を開発しようとしたものである.粗骨材-モルタル-界面の幾何学構造のモデリングが重要であるとの視点から,三次元デジタル画像を用いた有限要素モデリング手法を開発した.この有限要素モデリングの中でも中心となる手法は微視的引張破壊(クラック)の表現法であり,要素内に不連続変位を埋め込むものと非局所型でいくつかの要素により表現するものを提案した.本年度が本研究の総括であり,以下の成果を得た. 前者の微視的引張破壊表現法では,コンクリート材料の初期の非線形挙動を詳細に追跡し得ることの計算例を示した.また,後者の表現法では,前者に比べて精度はよくないものの,巨視的引張破壊はもちろん巨視的圧縮破壊の最後(圧縮軟化)まで安定して追跡することができた.後者を用いて,非線形要因として微視的な引張破壊のみを考慮するだけで,一般的な多軸圧縮負荷においても工学的な予測式と定性的に一致することを示した.これらの成果は,論文としての発表の他,コンクリート工学協会「コンクリートの微細構造解析研究委員会」においても発表した. 本解析手法は,三次元解析と細かい直交メッシュゆえに非常に多くの演算量を必要とするが,計算機の高性能化に伴い解決すると考えられる.一方,問題点としてより明らかとなったのは,界面についてモデリングはできても与えるべき材料物性値が不足していることである.なお,本解析手法の機能性多結晶セラミックスへの適用についても,本年度,若干の検討を行い,原則として適用可能であることを示した.
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