イタリア近代建築史研究:イタリア合理主義の建築思想に関する文献・史料研究
Project/Area Number |
14750534
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北川 佳子 早稲田大, 理工学部, 助手 (90329087)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 建築史 / イタリア近代 |
Research Abstract |
日本建築学会計画系論文集では、1930年代前半にイタリアで建築批評を行ったペルシコについて、彼の建築批評に示された、イタリア合理主義に対する評価を検討したが、それは以下に纏められる。イタリア合理主義運動は、本質的な必要性から生じたのではないためにその概念について厳格な理論の検討がなされていなく、従って、この運動には「様式」が欠如する。しかし、イタリア建築を欧州の近代運動に結び付けることを試みたことで、トリノ、ミラノの<合理主義>は評価される。その初期<合理主義>の主張した欧州主義は、建築論争が展開するに従い、国家を意識したスローガンに変わるが、特に「地中海性」という言葉は、この運動を正当化させるために多義的に用いられる。そして第二回イタリア合理主義建築展の開催に際して、建築への「国家の介入」を要請したが、そのことによって、合理主義運動は、理性に基づくという<合理主義>の本来の意味を否定することになる。ペルシコは、イタリア合理主義者に影響を及ぼした人物との関係の中で建築批評活動に携わった。イタリア合理主義に近い立場にありながら、欧州の近代建築運動、社会状況、他分野への視野を持ち、また。そのことによってイタリア合理主義運動を客観的に捉えようとした彼の建築批評は、この運動の思潮を理解する上で重要であると結論づけた。 博士論文では、申請者がこれまで進めてきたイタリア合理主義に関する研究を纏めたが、特に、1920〜30年代のイタリアにおいて特徴的な、建築とファシズムという政治体制、当時の芸術、或いは文化運動との関係に着目し、建築とそれらの分野間を橋渡しした人物の活動、及び合理主義者との関係の経緯を明らかにすることによってイタリア合理主義の建築思潮を捉えるという、イタリア近代建築研究における新しい視点を提示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)