生体用Ti/ハイドロキシアパタイト異相界面構造の解明
Project/Area Number |
14750565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小林 千悟 愛媛大学, 工学部, 講師 (10304651)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / チタン / 擬似体液 / 界面構造 / 傾斜構造 / 透過型電子顕微鏡法 / ナノストラクチャー / 結晶方位関係 / 人工歯根 / プラズマ溶射 |
Research Abstract |
本研究では、人工骨、人工歯根として注目を集めているTi/ハイドロキシアパタイト(HAp)複合材料の接合界面構造を明らかにすることを目的とした。Ti/HAp界面構造は、HAp皮膜の密着性やTi/HAp複合材料自身の機械的特性に大きな影響を及ぼすため、実用上その構造を明らかにすることは重要であるがその詳細は明らかにされていない。 平成15年度では、次に述べる3つのステップからなる実験方法により、HApをTi上に生成させた場合のTi/HAp界面構造について解析した。(1)純Tiを60℃に保持した5M-NaOH中に24時間浸漬後、40℃で24時間乾燥させた。(2)600℃で1時間保持し炉冷した。(3)36.5℃に保持した擬似体液中(Kokubo溶液)に7日間浸漬した。形成された構造の解析には主に透過型電子顕微鏡法を利用した。以下に、本実験により得られた結果を示す。 HAp/Ti界面近傍のTi基板からHAp皮膜に向う約1μmに渡る領域で、Ti基板側から順に、厚さ約30mmの層状のTiO_2(ルチル型)、粒径約100nmの粒状のチタン酸ナトリウム、約200nmの粒径をもつCa_<10>Na(PO_4)_7、粒径約200nmの粒状CaTiO_3、幅約100nm、長さ約300nmの棒状に伸びた形状を有するHApが積層されていることが明らかとなった。また、棒状HApの上に存在する最表層のHAp皮膜は粒径が約50nmと非常に微細な結晶粒を呈していた。棒状のHApは皮膜の成長方向に対しておおよそ平行に伸びる傾向にあったが、最表層の微細な粒状HApとの間に特定の結晶学的関係は見出されなかった。従来、HAp/Ti界面近傍にCa,P,Naの組成傾斜が存在することが知られていたが、本研究によりその組成傾斜の中には上記に示した種々の構造が存在し、傾斜構造を形成していることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)