Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Research Abstract |
近年、光触媒活性を持つアナターゼ型TiO_2は光照射のみで大気中の窒素酸化物(NO_X)を除去できるため環境浄化への適用が増加している。大面積への製膜の容易な溶射法による光触媒活性を持つTiO_2皮膜作製の作製にあたっては,アナターゼ型からルチル型への結晶相の転移が問題となる.そこで本研究ではアナターゼ型TiO_2と低融点グラステックスであるポリエチレン(PE)との複合粉末を作製し,フレーム溶射法を行うことにより,TiO_2への入熱を抑制した複合皮膜を作製し、その皮膜の性能評価を行った.また、原料TiO_2粉末の粒径が変化すると,表面積が変化し光触媒活性に影響を与えると考えられることから,200,20,7nmと粒径を変化させたときの光触媒活性に及ぼす影響を検討した.さらに,PEとTiO_2の直接接触による皮膜の劣化を抑制するため,TiO_2を多孔質ガラスで覆ったマイクロカプセルを調製し,このマイクロカプセルとPEとの複合皮膜作製を試みた. その結果,造粒した粒子を用いて溶射を行ところ,粒径によらずTiO_2粒子が層状に分布した皮膜が作製され,表面にもTiO_2粒子の存在が確認されたが,粒径の小さいものほどルチル相への転移が著しく,アナターゼ相が減少した.また,実際にメチレンブルー分解試験およびNO_X除去試験を行ったところ,いずれの皮膜も光触媒活生を有しており,メチレンブルー分解試験では粒径が大きいほど高活性であり,一方NO_X除去試験では逆の傾向を示した.これは2つの分解反応機構の違い,およびアナターゼ相の皮膜中の残存率および表面積の違いによるものと推察された.また,マイクロカプセルを用いた場合でも,同様の組織を有する皮膜が作製できたが,特にNO_X除去能が劣っていた.これはマイクロカプセルの形状に問題があると思われ,今後調製法を検討する必要があることがわかった.
|