温度差で吸脱着操作可能に熱応答性ゲルによる環境ホルモンの分離・濃縮
Project/Area Number |
14750613
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 紀弘 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (00261818)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 環境ホルモン / 熱応答性ゲル / ビスフェノールA / シクロデキストリン / 下限臨界溶液温度 / 熱感受性高分子 / N-イソプロピルアクリルアミド / ゲル / シンクロデキストリン / 超分子 / 吸着 |
Research Abstract |
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)やセルロースエーテル類(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)など下限臨界溶液温度を有する熱感受性高分子を架橋し合成した熱応答性ゲルに、シクロデキストリン誘導体を固定化することで「熱応答性シクロデキストリンゲル」を合成した。このハイドロゲルは熱感受性を保持し、加熱収縮、冷却膨潤を可逆的に繰り返し可能である。シクロデキストリンの固定化は、熱感受性高分子の下限臨界溶液温度に影響しないことを実験により実証した。更に、ゲルに凍結法を適用し多孔性化を行いそのゲル物性を明らかとした。このハイドロゲルを、環境ホルモン分子の捕集担体として利用するリサイクル可能な環境ホルモン分離・濃縮システムを構築した。環境ホルモンの例としてビスフェノールAやパラニトロトルエンなどを用いて吸着実験を実施した。これらの分子のゲルへの吸着挙動に関し、吸着理論を用いた定量的な解析を行い、フロイントリッヒ吸着定数を算出した。また、ゲル粒子を充填したカラムを用いてゲルに対するビスフェノールAの飽和吸着量を求めたところ、ゲルに固定化した三次元ポリマーネットワーク内のシクロデキストリン分子も環境ホルモン分子の包接に有効に寄与することを明らかにした。このゲルからのビスフェノールAの脱離は、エタノールなどの少量の溶媒にゲルを浸漬することで容易に可能であり、脱離挙動には温度依存性があることを明らかにした。このシクロデキストリンゲルを用いて、30ppmの高濃度ビスフェノールA水溶液から99%以上のビスフェノールAがゲル担体に捕集され濃縮可能である。また吸着したすべてのビスフェノールAがゲルから脱離可能であり、ゲルはリサイクル可能な物理的強度も保持していた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)