機能付与による、細胞療法・再生医工学のための有用動物細胞株の創製
Project/Area Number |
14750635
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
寺田 聡 福井大学, 工学部, 助教授 (60311685)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | アポトーシス / ハイブリッド型人工肝臓 / HepG2 / bcl-2 / P35 / crmA / bag-1 / グルタミン合成酵素 / 人工肝臓 / p35 / チトクロムP450 / 温熱 / 人工膵臓 |
Research Abstract |
ハイブリッド型人工肝臓の機能向上を目指して、人工肝臓に利用される肝細胞株の新規樹立を目指した。前年度までに、bcl-2,p35,crmAといったアポトーシス抑制遺伝子を過剰発現する肝細胞株を樹立した。これら樹立株は、アポトーシスに耐性を示した。 本成果をふまえ、今年度は次の二つの戦略で、HepG2細胞をもとに新規肝細胞株の樹立を行った。 1.アポトーシスは複数の経路があり、一つを抑制するだけでは十分でない。そこでアポトーシス抑制遺伝子の複数個の同時発現を目指し、「bcl-2とp35」の共発現株と、「bcl-2とbag-1」の共発現株を作成した。これらは、期待通り、単独発現株より強いアポトーシス耐性を示した。一方で、これらの株は増殖がやや低下した。期待通り、これらはいずれも、人工肝臓内で問題となる低酸素環境中でも、細胞死にも耐性を示し、肝機能の持続が認められた。 2.アポトーシス耐性付与だけでは人工肝臓の機能向上には不十分である。そこで、アポトーシス耐性遺伝子bcl-2に加えて、同時に肝機能に関わる遺伝子の過剰発現株の作成を目指した。具体的には、肝機能の中ではアンモニア除去が重要であることから、グルタミン合成酵素(GS)遺伝子の導入を行った。GSは、グルタミン酸とアンモニアからグルタミンを合成する酵素である。GS遺伝子導入後、約半年にわたって遺伝子増幅を行った結果、アンモニア除去能が5倍近く、飛躍的に向上した株が樹立された。この細胞では、アポトーシス抑制遺伝子bcl-2の発現が若干低下した。なお、GSの利用は大阪大学の大政が最初に行ったもので、本研究でも大政の協力で遂行された。 以上を通じて樹立された新規細胞株は、ハイブリッド型人工肝臓の機能向上に寄与できるものと期待している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)