脂質ベシクル型ナノリアクターを機能性生体触媒とするスマートバイオプロセスの開発
Project/Area Number |
14750638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 誠 山口大学, 工学部, 助手 (80322246)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 酵素封入リポソーム / グルコースオキシダーゼ / 固定化生体触媒 / 外部循環式エアリフト型気泡塔 / ナノリアクター / キトサンゲル担体 |
Research Abstract |
脂質ベシグル(リポソーム)と酵素を複合化したナノリアクターを実用的なバイオリアクターへ応用することを目的として、平成14年度に得られた結果に基づき研究を行った。今年度は、ナノリアクターを生体触媒とするスマートバイオプロセスの開発に際して重要となる点に着目して、(1)多種酵素系に着目したナノリアクターの安定化機構、(2)ナノベシクル型リアクターの反応性と安定性の向上及び(3)効率的な反応操作を目的とした小型気泡塔内におけるリポソーム系酵素反応のモデル化に関する検討を行った。 (1)では、リポソーム内封入グルコースオキシダーゼ(GO)が遊離GOに比べてグルコース酸化反応時に生成する過酸化水素による阻害を受けずに著しく安定化される機構を解明した。すなわち、市販のGOに微量同伴しているカタラーゼ活性がリポソーム内においてのみ高度に安定化され、生成過酸化水素を分解し続けること及びリポソーム膜自身が過酸化水素分解機能を有することを明らかにした。(2)では、基質であるグルコースの膜透過を促進するタンパク質を脂質膜に組み込み、同時にGOとカタラーゼを、リポソーム内に封入することにより、GOのみを封入したリポソーム系の高い安定性を維持してリポソーム内封入GOの反応性を大幅に改善することができた。(3)では、リポソーム内封入GOによる反応器容積が約20mlの小型外部循環式エアリフト型気泡塔における物質移動を伴うグルコース酸化反応をモデル化した。これによりプロセスの設計において重要となる、スケールアップやバイオリアクターにおけるGOの安定性について定量的に評価・予測する方法を確立した。 以上の結果に基づき、従来型の触媒に比べて著しく安定なベシクル型ナノリアクターを応用するスマートバイオプロセスの開発のための重要な指針を示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)