生体および人工分子配列系における超高速コヒーレントエネルギー移動
Project/Area Number |
14750648
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋本 誠志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40250477)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 分子配列系 / 光合成 / 励起エネルギー移動 / コヒーレント / フェムト秒 / アップコンバージョン / 蛍光 / 超高速分光 |
Research Abstract |
生体および人工分子配列系に取り込まれた色素分子間の励起エネルギー移動過程を超高速蛍光分光法により追跡し、分子配列系に固有のコヒーレント光化学過程(光量子ダイナミクス)を観測するとともにその機構を明らかにすることを目標として、以下の研究を行った。 (1)種々のアントラセン2量体について蛍光異方性減衰曲線を測定し、励起子伝搬に伴う量子ビートを2つのアントラセン間の配向の関数として観測することに成功した。量子ビートの振動周期は2分子間の相互作用エネルギーに、電子位相緩和時間は2分子の相対的な配置に依存することを初めて実験的に示した。 (2)有機溶媒中におけるペリレンおよびその誘導体の蛍光減衰曲線を測定し、振動余剰エネルギーの緩和過程について検討した。振動モード内と振動モード間とでは熱平衡状態に至るまでの時間のずれがあることを明らかにした。 (3)緑藻ミルの光捕集アンテナ色素タンパク質におけるカロテノイド(シフォナキサンチン)からクロロフィルへの光励起エネルギー伝達過程について検討した。シフォナキサンチンの第一電子励起状態からの励起エネルギー移動を実時間で追跡することに成功した。エネルギー移動の時定数として400フェムト秒(移動効率ほぼ100%)が得られ、本来禁制帯である第一電子励起状態を介して高効率のエネルギー移動が実現されていることがわかった。また、シフォナキサンチンは緑藻ミル中で特異的な蛍光異方性を示すが、これは、シフォナキサンチンとタンパク質との間の相互作用によるもの考えられる
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)