Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
Li-Mnスピネルを正極とする電池内部では,正極からMn(II)が溶出し負極の容量低下を引き起こす.この原因は,溶存Mn(II)がセパレータを介して負極に到達し,Mnの還元析出,電析Mn上での電解液との不可逆的分解の促進(触媒作用)によって,負極の特性劣化が起こるためであることを既に見出している.そこで,全く逆の発想で,負極特性を向上させるべき添加物を検討した.様々な金属イオンの添加効果を検討し負極の特性に与える影響を調べたところ,なかでもAl(III),Zn(II),Ag(I),Pb(II)は還元析出した後に,電気化学的に活性なLi合金が形成するため,炭素電極のみに比べて可逆容量が増加した.また,ナトリウムイオンを添加するとSEI皮膜が改質されて黒鉛負極の高出力化が可能となったのでここに述べる.負極活物質として天然黒鉛を用い,電解液1mol dm-3 LiClO^4/EC-DECにナトリウムイオン(過塩素酸ナトリウム)を充放電前に所定の濃度加えた.ナトリウムイオンを添加することによって,初期サイクルの不可逆容量が減少し,放電容量の増加が見られ,充放電時の容量の保持性も改善されることがわかった.またナトリウムイオンの添加量によっても負極特性が変化することがわかった.この効果はナトリウムイオンの添加がSEIの形成に大きく関与しているためと考えられる.交流インピーダンス測定から電極/電解液における界面抵抗が減少しており,高レート充放電においてより高い可逆容量が得られることが分かった.
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