機能化フラーレンのナノ構造組織化による光誘起電子移動性の発現
Project/Area Number |
14750652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤塚 守 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (40282040)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フラーレン / 分子内電子移動 / レーザーフラッシュホトリシス / 光エネルギー変換 / 超分子 / デンドリマー / 分子デバイス / ピコ秒過渡吸収 / 二酸化チタン / 微結晶 / フェムト秒 |
Research Abstract |
フラーレンの高い電子受容性を有効に活用した機能性材料の構築には、ナノ構造を組織化し、電子移動プロセスを制御することが必要不可欠である。本年度は、より高度なナノ構造組織化を目指し、配位結合を応用した超分子構造制御ならびにデンドリマーの応用による光誘起電子移動性の制御を目指した。 (1)配位結合を応用した超分子構造制御 フラーレン誘導体にピリジル基またはイミダゾール基を導入することでポルフィリンなどのドナーに配位させることが可能になるため、超分子ドナー・アクセプター結合分子を構築できる。このようなフラーレン誘導体が亜鉛ポルフィリンや亜鉛ナフトシアニンの中心金属に配位し、実際に高効率に電荷分離状態を生成することをピコ秒過渡吸収測定により見出した。さらに、超分子形成において配位結合のほかに水素結合を用いた超分子形成を実証した。いずれの場合においても電荷分離状態の寿命は数ナノ秒から数十ナノ秒に及び、比較的長寿命電荷分離状態が生成することを示した。 (2)デンドリマーによる光誘起電子移動性の制御 二電子ドナーであるテトラチエニルエチレンとフラーレンの電子移動では、励起三重項状態のフラーレンがテトラチエニルエチレンに連続的に衝突することでジカチオンを生成することが確認された。これは光誘起プロセスによる二電子酸化反応として興味深いプロセスである。テトラチエニルエチレンにベンジルエーテル型のデンドロンを結合した分子との電子移動過程では衝突過程の阻害に起因する反応の抑制効果が認められた。さらにデンドロンの世代および置換基数の影響が明らかになった。一方、逆電子移動は外圏反応であることが確認され、デンドロンによる反応活性種の長寿命化が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)