CO2-メタノール物理吸収-超音波照射電気化学的還元ハイブリッドシステムの開発
Project/Area Number |
14750655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
金子 聡 三重大学, 工学部, 助教授 (70281079)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 炭酸ガス / 超音波照射電気化学的還元 / 物理吸収液 / メタン / 一酸化炭素 / ギ酸 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
炭酸ガスの固定は、地球環境維持の見地から最近益々注目を集めている。炭酸ガスの電解還元は、このための有効な方法の一つとして考えられている。CO_2の電気化学的還元は、様々な系で行われてきているが、超音波を照射しながらCO_2の電気化学的還元を行った例は、ほとんどない。したがって、本研究ではメタンなどの炭化水素類の電流効率の向上を目的として、CO_2の電気化学的還元において超音波を照射した新規な還元システムを創案し、その還元特性を検討した。 作用極室と対極室をイオン交換膜(ナフィオン117)で仕切ったパイレックスガラス製H型セルを用いて、電解還元を行った。作用電極には、銅板(30×20mm,0.10mm)を用い、対極には白金板(30×20mm,0.10mm)を、参照電極には、擬似Ag電極を用いた。電解液には、500mM KHCO_3を含む水+メタノール(8:2)溶液を用いた。電解温度は、0℃から-18℃までで行った。これ以下の温度では、凝固した。-2.0Vから-1.8Vで超音波(40kHz,200W)を照射しながら定電位電解を行い、通電量は50Cであった。今年度は、電位の影響を詳細に検討した。 超音波を照射したCO_2の電気化学的還元における還元生成物は、メタン、エチレン、一酸化炭素、ギ酸であった。まず、-1.85Vに還元電位を一定にして、温度の影響を調べた。温度を低温にするとメタンの電流効率が向上したが、超音波を照射した場合の電流効率は、しない場合の効率より大きかった。また、水素の発生は、超音波を照射すると抑制される傾向にあった。-18℃で電位の影響を調べたところ、超音波を照射しない場合のメタンの電流効率は、-1.95Vで最大となり、約42%であった。しかしながら、超音波照射下では、-1.85Vより卑な電位では、約55%で一定であった。水素の電流効率は、超音波を照射しない場合、60〜70%であったが、超音波を照射すると50%以下の抑制されることが見出された。以上のことより、CO_2の電気化学的還元において超音波を照射すると水素の発生を抑制し、CO_2の電解還元が促進することが明らかとなり、その効果は低温であるほど顕著であった。また、電極反応速度が比較的遅い貴側の電位で、超音波効果が顕著になる傾向があった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)