Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
ヘテロ原子置換ハロメチルリチウムとシリルボランの反応を検討し,金属多置換メタンの簡便合成法を開発した。すなわち,溶媒テトラヒドロフラン中-98℃で(ジメチルフェニルシリル)(ピナコラート)ボラン共存下ヘテロ原子置換ハロメタンにリチウムジイソプロピルアミド(1Min THF solution)を滴下し,同温度で10分間攪拌したのち室温まで昇温すると,1,1-シリルホウ素化が進行して,対応するヘテロ原子置換ボリルシリルメタンが収率よく生成した。ヘテロ原子として,酸素,硫黄などのカルコゲン元素や塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン,さらには,ケイ素,ゲルマニウム,スズ,鉛の14族元素が適用可能である。つづいて,14族元素置換ハロメタンから合成した三金属置換メタンに塩基を作用させてメタル化し,これを金属塩化物で捕捉することをおこなった。その結果,ボリル(ゲルミル)(シリル)メタンを溶媒テトラヒドロフラン中-78℃でブチルリチウム/t-ブトキシカリウムを用いて水素引き抜きしたのち,クロロトリメチルスズを反応させると,目的のボリル(ゲルミル)(シリル)(スタニル)メタンを収率81%で得ることができた。得たテトラメタルメタンはメタノールから再結晶して,針状結晶を得ることができたので,X線構造解析をおこなった。炭素ムスズ結合は通常より短く,一方炭素-ゲルミル結合は通常より長かった。結合角についてはケイ素と他の金属原子がなす角度がsp3炭素の理想値(109.5℃)より大きいのに対し,ケイ素以外の置換基3つがそれぞれなす角は109.5℃より小さかった。
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