Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
超臨界流体二酸化炭素を染色媒体として用いた繊維や染色は既に試みられているが,それらは油溶性染料を用いたポリエステル繊維等の合成繊維の染色のみであり,天然繊維の染色の試みは行われていない.それは超臨界流体二酸化炭素を染色媒体とした場合,油溶性染料しか媒体に溶解せず,木綿等の天然繊維の染色に用いられる水溶性染料は溶解できない為である.しかし我々は新規な界面活性剤を開発し,それを用いることにより,超臨界流体二酸化炭素-水マイクロエマルションとして水溶性染料を超臨界流体二酸化炭素に溶解させ,それによって超臨界流体二酸化炭素中での水溶性染料による染色を可能とする事を目指している.我々は環境負荷の問題のあるフルオロカーボン系化合物を使用しない事を基本とし,ポリオキシエチレン鎖の超臨界二酸化炭素中での微妙な親水性-疎水性バランスを考慮した2種類の新規な界面活性剤の分子設計,合成を行った.一方は2本の直鎖もしくは分枝アルキル疎水鎖と1本のポリオキシエチレン親水部をグリセロール骨格で結合した、一連のグリセロール型界面活性剤であり,もう一方は2本のポリオキシエチレン鎖を有する一連のスルホこはく酸ナトリウム塩型界面活性剤である.合成した新規スルホこはく酸型界面活性剤は超臨界二酸化炭素に溶解せず,本研究の目的には使用できないものだった.一方,新規グリセロール型界面活性剤は超臨界二酸化炭素に可溶であった.この新規グリセロール型界面活性剤が数種の水溶性染料を超臨界二酸化炭素に幾らか可溶化する能力を有していることを見出した.可溶化の機構がマイクロエマルション形成によるものかどうか等の詳細は現在検討中であり,可溶化条件の最適化や実際の繊維染色への適用も含めて現在研究継続中である.
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