Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
昨年度は,大規模宇宙構造システムを対象に,構造物の特性と姿勢変動の関係を明らかにした.その結果を基として,本年度は,さらに,軌道・姿勢・構造の3要素の干渉による非線形なシステムの動特性評価を推し進めると同時に,熱応力の影響や,構造変形(振動)や姿勢変動のそれぞれのモード間のエネルギーの伝搬と,モジュール間におけるエネルギーの伝搬についての研究を行った.その知見を元に,分散的に熱応力を解放可能なモジュール構造の提案を行った.その有効性は,シミュレーションにより検証された.具体的には以下の2点に関する知見を得た. (1)連成挙動の支配要因となる構造特性 構造システムの柔軟性や形状といった構造特性が,軌道・姿勢・構造の3要素の連成に与える影響についての解析を行った.1次元的な重力傾度安定型宇宙構造物について,解析的にその支配パラメータを特定した.A.軌道運動と構造振動の固有振動数比,B.質量比,C.軌道半径に対する構造物の代表長の比の3点である.これらのうち,A.の要因が最も影響が大きく,その値が約10を越えた場合には,構造振動は,軌道・姿勢運動と独立と捉えて良いことが判明した. (2)エネルギーの伝搬を考慮した熱応力の分散解放構造 熱応力存在下のテザー支持による大型宇宙構造物の構造変形及び姿勢変動の解析を行った.熱変形によって,テザーがスラックすると,その固有振動数が著しく低下し,構造振動と姿勢変動が連成することを明らかにした.モジュール間の結合剛性を変更することで,熱応力を局所的に解放できるモジュール構造を提案した.その結果,変更前のモデルでは,周期的な熱入力によって,ヨー・ロール軸周りの姿勢変動が発散傾向にあったが,変更後のモデルでは,これらの姿勢変動が抑えられることが判明した.
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