Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究は音波検層波形の周波数領域解析を基に新しい地下き裂の開口変位評価法を開発しようというものである.研究代表者が実フィールドで実施した音波検層では,き裂の位置で得られた波形の周波数応答に,ある特定の周波数でピークが見られ,そのピーク値はき裂の加圧とともに大きくなり,き裂の開口圧よりも大きな圧力を加えると低周波の波が励振される現象が観測されている.これらの現象がき裂の性状とどの様に関係しているのか,室内実験とシミュレーション,および,フィールド実験データとの比較を通じて解明を試みた. 本研究を通じて,音波検層波形の振幅スペクトルに現れるピークはストンリー波に対応し,その周波数は岩盤の力学的特性,透水性,空隙率などに依存していることが明らかとなった.すなわち,音波検層波形の振幅スペクトルを深度方向に並べると,岩盤が均質な場合にはピーク周波数は一列に並ぶ.一方,岩盤が不均質な場合はピーク周波数が変化するのでピーク周波数の並びに不連続が生じる.これによって,岩盤の境界面を精確に検出することが可能となった.さらに,本研究では,ストンリー波の振幅は固い岩盤では高周波域で卓越し,柔らかい岩盤では低周波が卓越すること,すなわち,異なる周波数で得られるストンリー波の振幅検層は互いに相補的な関係にあることを発見した.この現象を利用して,異なる周波数で行われたストンリー波の振幅検層を加重平均処理することで,透水性き裂を検出することが可能であることを明らかにした. 本研究の成果は豪・日・韓物理探査学会で評価されており,2004年3月に三ヵ国の理探査学会誌に同時掲載されることとなった.
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