ポリアミン生合成代謝経路の制卸による果樹の機能改変
Project/Area Number |
14760023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
本多 親子 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・生理機能部, 主任研究官 (40343975)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ポリアミン / S-アデノシルメチオニン脱炭酸酵素 / 環境ストレス耐性 / 酵母相補性試験 / 機能解析 / S-アデノシルメチオニン脱炭素酵素 / スペルミジン合成酵素 / スプライシング |
Research Abstract |
リンゴのシュート由来のRNAを用いてRT-PCRとRACE法によりアルギニン脱炭酸酵素(ADC)遺伝子を単離した(MdADC)。一方、オルニチン脱炭酸酵素(ODC)遺伝子はRACEやライブラリーのスクリーニングを試みたが断片(pMdODC)しか単離できず、リンゴでは発現レベルが極めて低いことが推察された。ADCの阻害剤であるD-アルギニンはADC活性を抑制し、結果的にリンゴカルスの増殖を抑えた。しかし、プトレシンを添加すると部分的にカルスの分裂と増殖が回復し、D-アルギニンの阻害効果が軽減された。ODCの阻害剤であるDFMOでは、ODC活性に影響を与えず、カルスの増殖の著しい抑制も認められなかった。このMdAD及びpMdODCをプローブとして、リンゴの組織・器官(花、若葉、成葉、幼果から成熟果実)やストレス(低温、高温、塩、乾燥)下での発現解析を行った結果、MdADCの発現レベルは細胞の分裂の盛んな組織・器官で高く、低温、塩、乾燥ストレス処理によっても発現は誘導された。高温下ではMdADCの発現レベルは低下した。一方、pMdODCの発現はいかなる組織・器官またはストレス処理によっても検出できなかった。このように、リンゴではODCは存在して働いてはいるものの、リンゴの細胞の分裂・増殖やストレス反応におけるプトレシン供給の役割は極めて低いこと、MdADCの発現レベルが細胞の増殖や低温、塩、乾燥ストレス反応に対応していたことから、リンゴではODC経路ではなくADC経路によって合成されたプトレシンが重要な役割をはたしていることが明らかとなった。また、一昨年以来実施したスペルミジン合成酵素を導入した組換え植物(モデル植物としてタバコを利用)については環境ストレス耐性や形態変化について解析を続けているところである。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)