Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
I)外来DNAを導入した硝酸イオン情報伝達系破壊型変異体の作出と選抜ホウレンソウ培養細胞にパーティクルガンを用い、ハイグロマイシン耐性遺伝子を外来遺伝子として導入し遺伝子破壊型変異体を作出した。作出した変異体からハイグロマイシン及びクロレートを用いた薬剤耐性により硝酸還元酵素(NR)欠失変異体を選抜した。一次選抜において約3000個体、二次選抜で100個体を得た。これらを液体培地にて培養し、細胞増殖が確認された20個体を解析に用いた。得られた変異体のNR活性は全て野生型より低いことを確認した。次に硝酸イオンによる遺伝子誘導に関与すると考えられているcis配列(AGTCA配列)をGUSレポーター遺伝子に繋いだプラスミドを用い、GUS活性測定により硝酸イオンシグナル伝達の有無を確認した。この結果レポーター遺伝子活性の低い4個体の変異体を選抜した。これら変異体が硝酸イオントランスポーター遺伝子変異体ではないことを確認するため細胞内硝酸イオン含量を測定した。いずれの変異体も細胞内に硝酸イオンを取り込むことを確認した。またNRmRNA、NRタンパク質発現量を測定した結果、いずれの変異体も発現は確認されなかった。II)破壊された遺伝子断片の単離選抜した変異体からゲノムDNAを単離しTAIL-PCR法を用いて破壊された遺伝子断片の単離を行った。その結果約500bpと900bpのDNA断片を得た。これらの塩基配列を決定したがシロイヌナズナゲノム遺伝子データベースで相同性の高い遺伝子は見られなかった。