細菌によるアルカン分解機構の解明とそれを利用した鯨油に代わるワックス類の生産
Project/Area Number |
14760050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷 明生 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00335621)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | n-alkane / Acinetobacter / paraffin wax / degradation / wax ester / Acyl-CoA dehydrogenase |
Research Abstract |
原油中の主成分であるn-アルカンを分解できる微生物については細菌・酵母・カビに至るまで数多くの報告があるが、現在までに知られている中でAcinetobacter sp.M-1株は最も長鎖の成分(炭素数30以上)を分解できる細菌として例を見ない分解特性を持っている。本菌は常温で個体である成分にまで旺盛に生育することから、その強力な分解活性と、代謝産物であるワックスエステルの合成力とを用いて廃油や自然環境に放出された原油成分から、現在天然には利用できない鯨油に代わるワックス類の生産に結びつけることを目的とした。 このようなバイオコンバージョンを目的とする場合は分解機構の解明とそれに関わる遺伝子・酵素群に関しての情報が必要であることから、一つ一つの反応を行う酵素について性質を調べてきた。特に本研究ではアルカン分解とワックス合成との分岐点であるAcyl-CoA脱水素酵素を本菌より精製、遺伝子をクローニングし、その性質を調べた。 本菌はAcyl-CoA脱水素酵素を少なくとも二つ保持しており、それらの遺伝子はタンデムに染色体ゲノム上に配置されていた。これらの遺伝子がコードする酵素はそれぞれ長鎖、中鎖のAcyl-CoAに活性を示し、基質特異性が異なることを明らかにした。これらはその基質特異性から、それぞれ長さの異なるアルカンに生育するときに必要な酵素であると考えられる。このように同じ反応を行う酵素でも長さの異なる基質に対応して複数の酵素を持つことは、本菌においてすでにいくつかの事例(アルカンヒドロキシラーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素)で発見しており、本菌が中鎖から極長鎖までのアルカンに生育する特性を酵素レベルで明らかにしたと言える。 今後は本遺伝子の破壊株等の構築と、それを用いたアルカンからワックス生産への収率の増大を試みる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)