SAGE法を用いた担子菌におけるcAMP誘導性遺伝子発現プロファイリング
Project/Area Number |
14760054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
入江 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (30336721)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | Phanerochaete chrysosporium / cAMP / 白色腐朽菌 / リグニン分解酵素 / SAGE法 / Pleurotus ostreatus / ヒラタケ / リグニン / 発現解析 |
Research Abstract |
白色腐朽菌Phanerochaete chrysosoporiumは培養後期に特定条件下でリグニン分解酵素を発現する。リグニン分解酵素はリグニンやダイオキシンなどの難分解性有機物質分解に関与すると考えられており、未利用資源のビアオマス変換や環境浄化への利用が期待されている。しかしながら、これらの発現機構については不分明な点が多く、また、現在判明しているリグニン分解酵素と同時年発現する未知因子が基質分解に関与していることも示唆されている。前年度までにアデニル酸シクラーゼ阻害剤アトロピン添加によってP.chrysosoporiumのリグニン分解酵素が発現抑制されることを確認した。そこでアトロピン添加条件、無添加条件、および培養初期の菌体からmRNAを抽出し、発現遺伝子を比較することでリグニン分解酵素発現にかかわる遺伝子、基質に働きかける未知の因子をコードする遺伝子の検出を試みることとした。具体的にはSerial analysis of Gene Expression (SAGE)法を用いて各条件での遺伝子発現量を正確に反映すると考えられるタグを調べ、プロファイリングを行うこととした。 同時に、研究を開始した当時は糸状菌についてSAGE法を行った報告例が存在しなかったため、技術の獲得を目的として比較的遺伝子解析の進んでいるいもち病菌についてSAGE法を用いた付着器形成に関与するcAMP誘導性遺伝子発現プロファイリングを14年度から15年度にかけて行った。結果としては、いもち病菌付着器形成に関与する新規のcAMP誘導性遺伝子が多数検出され、多くの知見が得られた。研究結果はIrie, T., H.masumura, R.Terauchi and H.Saitoh.(2003) Mol Genet Genomics 270:181-189にまとめた。 現在、いもち病菌で得た技術を用いてP.chrysosoporiumのSAGE法解析を行っているところである。まだタグレベルでの解析段階であるが、今後はP.crysosoporiumの全ゲノムデータとの比較によりタグ遺伝子のアノテーションを行い、遺伝子を特定し、個々の遺伝子における詳細な解析を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)