モデル脂肪酸化合物を用いた天然脂質の酸化過程の数式化
Project/Area Number |
14760093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
峰本 康正 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (50342481)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 酸化 / グリセロール / オレイン酸 / 脂質 / 脂肪酸 / グリセリド |
Research Abstract |
本年度は天然脂質に近い化合物を合成し、特に分子サイズと酸化の関連性を検討した。第1に脂肪酸をオレイン酸とし、エチレングリコールエステルおよびエリスリトールエステルを調製した後、これに市販のグリセロールエステルを加え、各々の酸化過程を比較した。オレイン酸に結合する化合物の分子サイズはエチレングリコール、グリセロール、エリスリトールの順に大きくなるが、オレイン酸が1つ結合したモノエステルでは分子サイズが大きくなるにつれ酸化速度が遅くなることを見出した。これらの結果はリノール酸を用いても同様であり、脂肪酸に寄らないことを示した。一方、オレイン酸が2つ結合したジエステルになるとエリスリトール系が最も酸化が早く、次いでエチレングリコール系、グリセロール系となり、酸化速度と分子サイズに相関が認められなかった。エリスリトール-オレイン酸ジエステルの場合、2つオレイン酸は直線的に並んだ4つの結合部位の最初と最後、すなわち両端に結合している。よってエステル全体の構造がコの字状になり分子同士の絡み合いの頻度が他のエチレングリコールやグリセロール系よりも起こりやすくなるため、酸化が促進するものと示唆された。これらの結果から脂質の酸化過程ではその構造上の特徴を考慮する必要があることが判明したが、本研究ではこれらのモデル化までには至らなかった。 次に2つの結合部位を持つエチレングリコールにオレイン酸とリノール酸を結合させた場合の酸化過程を検討した。各々の酸化過程はオレイン酸、リノール酸の単体時よりも遅くなるものの、昨年度までに結果を得ているそれらを混合した時の酸化挙動と同じであった。つまり、オレイン酸はリノール酸が酸化している時はその酸化速度が早くなるが、リノール酸の酸化終了と共に酸化速度が遅くなった。このことより同じ分子内に存在する異種脂肪酸はその酸化過程において互いに干渉していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)