Project/Area Number |
14760099
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大園 享司 京都大学, 農学研究科, 助手 (90335307)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 森林 / 菌類 / 分解 / ミズキ / 生態学 / 森林生態系 / 樹木 / エンドファイト / エピファイト / リグニン / セルロース |
Research Abstract |
樹木の生きた葉に定着している葉圏菌類が落葉後の葉の分解過程に果たす役割を明らかにした。野外調査は京都府北桑田郡美山町の京都大学農学部芦生演習林の冷温帯天然林で行った。ミズキを材料に、葉圏菌類の生きた葉における生態と、落葉における生態について明らかにした。葉圏菌類の生葉への定着パターンを樹冠内分布と季節変化の観点から解明した。樹冠内分布については、樹高、幹からの距離、シュート内の葉齢の違い、葉面/葉組織内というハビタートの違いが葉圏菌類の出現に及ぼす影響を調べた。葉圏菌類相は葉面と葉組織内で大きく異なった。葉圏菌類は、樹冠内の位置で分離頻度が異なる種と分離頻度に差がない種とに大別された。季節変化については、葉圏菌類の分離頻度合計は5月から8月にかけて増加し、その後はほぼ一定になった。高次フラッシュの葉ほど、展葉後に速やかに葉圏菌類の定着を受けていた。葉圏菌類は生葉からの出現パターンから、一次フラッシュで分離頻度の高い種、より高次のフラッシュで分離頻度の高い種、フラッシュ次数によらず頻度の高い種、の3群に区分された。葉圏菌類の落葉分解過程における生態と役割を1年半の野外実験により明らかにした。分解に伴うリグニン、ホロセルロース、可溶性糖類、ポリフェノールと、窒素動態を明らかにした。ミズキ落葉では可溶性糖類、ホロセルロースとともにリグニンが速やかに分解されており、窒素は不動化されずに落葉直後から無機化されることが明らかになった。このような落葉分解には、生葉由来の葉圏菌類とともに、落葉分解菌類(主に子嚢菌類、接合菌類)が落葉後に定着し関わっていることが示された。葉圏菌類は分解初期に分離頻度が高く、分解にともない減少した。その一方で、落葉分解菌類の分離頻度は分解にともなって増加した。
|
Report
(3 results)
Research Products
(17 results)