日本系サケの生残と回遊の遊泳エネルギーコストに関する研究
Project/Area Number |
14760129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
東屋 知範 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水産研究所・亜寒帯漁業資源部, 主任研究官 (60344321)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 日本系サケ / サケ回遊モデル / 経年変化 / エネルギーコスト / 鱗相分析 |
Research Abstract |
サケの海洋生活期の中でも最初に経験する冬季におけるサケの脂肪含有量が,他の期間に比較してかなり低いことが報告されている.そのため,冬季のサケ回遊モデルの出力結果と鱗相分析結果との比較検討と,サケ回遊モデルから得られたサケの危険期間中である冬季の生理的状況を遊泳エネルギーコストの側面から考察した.餌環境が一定と仮定した場合,モデルから得られた冬季遊泳エネルギーコストには経年変化がみられ,北太平洋における水温環境より吹送流速が遊泳エネルギーコストに寄与していることが明らかになった.冬季に強い南向き成分の風が卓越する年には遊泳エネルギーコストが高かった.ところが,鱗相分析から得られた冬季の成長量と遊泳エネルギーコストとの間には相関関係はみられず,遊泳エネルギーコストとサケの回帰率との間にも相関関係はみられなかった.しかし,鱗相分析から得られた冬季までの成長量とサケの回帰率には正の相関関係があった.これらの結果は,他の季節より冬季におけるサケのエネルギーコストは環境に影響されるものの,成長及び生残までは影響が及ばないことを意味している.言い換えれば,冬季はサケにとって含有脂肪率は低いが,遊泳のためのエネルギー消費量は冬季に生存してゆくための全エネルギーに対し,十分許容範囲内であることを示唆する.一方,冬季までの成長が良いと回帰率が良いことは,冬季に体サイズが小さいサケが,捕食や魚病等で死亡率が高いことを示唆する.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)