Project/Area Number |
14760213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物資源科学
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
山田 隆志 福山大学, 生命工学部, 講師 (80341204)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | アミノ基転移酵素 / 馬尿酸 / 安息香酸 / 代謝 / 放線菌 / ベンズアシド / 微生物 / ペプチドホルモン |
Research Abstract |
馬尿酸は草食動物の尿中に大量に含まれ環境中に排出される有機酸である。安息香酸がグリシンとアミド結合しており炭素・窒素源を一分子中にもつ興味ある微生物基質である。本研究では馬尿酸の化学構造と代謝経路に注目して生理活性ペプチドの合成に必要なC末端グリシンを酸化的に分解する酵素など新しい微生物有用酵素を検索することを目指した。 まず自然界から馬尿酸資化性微生物を約1000株単離した。続いてそれらの培養上清をHPLCで分析した。多くの菌株では馬尿酸は安息香酸に加水分解されたが、ストレプトミセス属2株ではベンズアミドに変換された。そこで^<15>N馬尿酸を合成し、その代謝経路を質量分析で解析した。その結果馬尿酸は安息香酸に加水分解され、続いてアミノ基が転移されていることが判明した。このアミノ基転移反応は安息香酸に対する解毒機構として作用しているのではないかと考えている。このような反応はアスパラギンの生合成など限られており生体アミドの形成のためのユニークな反応である。現在この酵素の基質特異性を検討中であるが、比較的幅広い基質に対し作用するようである。新規有用酵素として特許と報文にすることを予定している。 一方有用性が極めて高い末端グリシンの酸化的に分解して生理活性ペプチドを生成する酵素を単離するためにはペプチドを基質としたスクリーニング系の確立が必要であると考えた。そこで京都大学農学部宮川恒教授並びに宮下正弘助手の協力を得て、N末端を蛍光標識したN-DNS-D-Tyr-Val-Gly並びに生成物であるN-DNS-D-Tyr-Val-NH_2を合成し、TLC並びに本助成により購入した蛍光検出器による高感度の分析系を確立した。 以上本助成を得て環境微生物における馬尿酸の新規代謝経路を明らかにして新しい微生物変換反応を同定するとともに新規有用微生物スクリーニングのための基盤を整えることができた。
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