Project/Area Number |
14770109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久枝 一 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50243689)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マラリア / 制御性T細胞 / ワクチン開発 / 免疫抑制 / 宿主寄生体相互関係 / 抑制性T細胞 / 免疫回避 / 宿主病原体相互関係 |
Research Abstract |
マラリアは今なおコントロールが困難な世界再大規模の感染症であり、年間300万人もの生命を奪い続けている。マラリア原虫は宿主の防御免疫を回避する機構を備えており、例えば、抗原の多様性、抗原の変異が良く知られている。またマラリア患者では強力な免疫抑制も認められ、これらのメカニズムは感染に対する終生免疫が得られにくい、あるいはワクチンの開発が困難となっている要因である。マラリアにおける免疫回避機構を解明することはマラリア撲滅への足掛かりとなりうる。本プロジェクトでは上記知見を基盤とし、マウスのマラリアモデルにおいて免疫抑制に焦点を絞りその詳細を解明することを目的とする。とくに、近年報告された、CD4^+TCD25^+制御性T細胞の関与を中心に検討した。 マウスのマラリア原虫Plasmodium yoelii (Py)の致死感染を起こす強毒株(PyL)と一過性感染を起こす弱毒株(PyNL)を感染させたマウスにおける免疫応答を原虫に対する特異抗体価、増殖反応で検討した。マラリア原虫感染マウスにおける、制御性T細胞を解析した。また感染に先立って制御性T細胞を除去することで、生体内でのこの細胞群の役割を検討した。 致死感染を起こすPyL感染マウスでは一過性感染を起こすPyNLに比較して著しく免疫応答が抑制されていた。強毒株感染マウスの脾臓中にはCD4^+CD25^+T細胞が多く存在し、そのT細胞増殖抑制機能も亢進していた。さらに、強毒株感染の前に制御性T細胞を除去しておくと、すべてのマウスが感染抵抗性になり、抑制されていた免疫応答は改善した。以上の事実はマラリア原虫感染マウスにおける免疫抑制が抑制性T細胞によって引き起こされたことを示す。すなわちマラリア原虫は制御性T細胞を活性化し、エフェクターT細胞を抑制し宿主免疫から回避することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)