DR5遺伝子の発現機構解析と、それを用いた癌の新しい分子標的予防法の開発
Project/Area Number |
14770149
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80315936)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | DR5 / TRAIL / p53 / 酪酸 / トリコスタチンA / SAHA / フラボノイド / カロテノイド / DR5 (Death Receptor 5) / プロモーター / 癌 / 化学予防 / 分子標的予防 / アポトーシス / 転写 |
Research Abstract |
DR5は癌抑制遺伝子p53の下流遺伝子であり、DR5の発現調節薬剤の探索は新たな分子標的予防薬の開発につながる可能性がある。そこで、DR5遺伝子プロモーターをクローニングし、プロモーターを介した発現調節薬のスクリーニングを試みた。スクリーニング薬剤としては衛生学的に重要な食物由来産物を中心に行った。 酪酸は食物繊維の代謝産物で癌予防効果を持つと考えられている。酪酸がDR5の発現をプロモーターを介して増加させることを見い出した。TRAILはDR5のリガンドとして知られており、酪酸とTRAILの併用は白血病細胞に非常に強くアポトーシスを誘導した。しかしながら、健常人から採取した血球細胞にはほとんど毒性を示さなかった。また、酪酸はヒストン脱アセチル化阻害剤(HDACI)として働く事が報告されている。他のHDACIであるトリコスタチンAやSAHAでも同様にDR5の発現を増加させることを見い出した。実験に用いた白血病細胞はp53が欠失しているので、HDACIによるDR5発現誘導効果はp53非依存的に起こっていると考えられた(論文投稿中)。 フラボノイド類は植物由来の食物によく含まれる成分であり、癌予防効果を持つことが知られている。フラボノイドの一種がDR5の発現を誘導させることを見い出した。このフラボノイドは癌細胞にアポトーシスを誘導することがすでに知られていたが、そのメカニズムはあまりわかっていなかった。TRAILとDR5の結合を阻害することで、このフラボノイドによるアポトーシス誘導が減弱したことから、このフラボノイドによる癌抑制効果にDR5が関わっていることが示唆された(論文投稿中)。また他のフラボノイドもDR5発現誘導することを見い出した。食用貝類に含まれるカロテノイドもDR5の発現を誘導することを見い出し、より詳細に解析を進めてる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)