身体症状の問診調査によるうつのスクリーニングの有用性に関する検討
Project/Area Number |
14770184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中尾 睦宏 帝京大学, 医学部, 助教授 (80282614)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | うつ / 身体症状 / 心身相関 / 健康診断 / スクリーニング / 有病率 / オッズ比 / 問診 / 感度 / 特異度 |
Research Abstract |
1.目的:職場健康診断時に自記入式身体症状質問紙とアメリカ精神医学会診断基準(DSM-IV)による簡易構造化面接を実施し、身体の自覚症状を調べることで大うつ病がスクリーニングできるか検討した。今回は、昨年度健診の身体症状データをもとにして、今年度の大うつ病の発生を予測できるかコホート調査した。 2.方法:対象は某研究所の定期健康診断を2年続けて受診した1,066人(うち男性732人;平均年齢35歳)であった。身体症状は調査票を用いて、過去1週間ならびに1ヵ月の26個の身体症状の有無を健診前または健診中に回答してもらった。我々の、先行研究などを参考にし、以下12個の身体症状を選んだ(疲労、頭痛、不眠、腰痛、腹痛、関節痛、めまい、胸のしめつけ、便秘、動悸、嘔気、息切れ)。週1回以上の自覚症状を「症状あり」とし、症状ありの合計を身体症状数とした(0-12)。大うつ病の診断はDSM-IVのPrimary Care and International Versionの診断基準に基づいて面接した。あわせて17項目版Hamilton Depression Scale(HDS-17)も実施した。 3.結果:DSM-IV面接の結果、今年度は3.4%が大うつ病と診断された。主な身体症状は、疲労(24.5%)、頭痛(7.8%)、不眠(4.2%)、便秘(4.2%)、腰痛(4.1%)であった。12個中10個の身体症状において、昨年度に症状を有していた者はそうでなかった者よりも有意に高いHDS-17得点を今年度に示した(all P<0.005)。さらに、多重ロジスティック回帰分析で年齢や性別の影響を統制しても、昨年度の腰痛、めまい、腹痛の3つの身体症状は、今年度の大うつ病の発生を予測する独立した因子となった(オッズ比4.3-8.3)。 4.結語:身体症状の問診は健康診断において、うつを早期に発見できる有用な指標になりえる事が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(14 results)