Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.蛍光X線分析装置1%硝酸を用いて12種の金属元素(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Se、Cd、Hg、Pb)標準品を希釈し、作成した検体50μlをマイラー膜に滴下した。充分に乾燥させた後に測定を行い、前年度設定したろ紙を用いた方法と比較したところ、スペクトルのベースラインはマイラー膜を用いた方が良好であった。ドリンク類、尿、血漿、全血に標準液を添加し、マイラー膜を用いて分析を行ったところ、良好な結果を得た。各溶液中金属元素の検出限界はCd、Hg、Pb以外の9種で2-10ppm、Cdは40-100ppm、Hgは20-60ppm、Pbは20-80ppmであった。内部標準を用い、各試料における検量線を作成したところ、Cd、Hg、Pb以外の9種では良好な直線性を得た。またその9種については再現性も良好であった。2.ICP-MS1%硝酸を用いて12種の金属元素(Li、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Cd、Pb)標準品を希釈し分析を行った。12種とも1ppb程度で検出可能であった。内部標準を用い、1%、10%、20%硝酸に標準品を添加し検量線を作成したところ、全ての試料において12種とも良好な直線性を示し、再現性も良好であった。1%硝酸に12種金属元素を添加し、マイクロウエーブ処理後分析を行ったところ、回収率はFeとPb以外の10種で84-123%であった。健常成人から採取した血液1mlに70%硝酸1mlと過酸化水素1mlを加え、1時間放置した後にマイクロウエーブ処理を行った。黄色透明になった溶液を分析したところ、Cr:7ppb、Mn:13ppb、Ni:90ppb、Cu:60ppb、Zn:300ppb、Se:35ppbが検出された。以上により、生体試料等からの上記金属元素の微量検出が可能であると考える。