アルツハイマー病初期発症機序のV642I-APP変異ノックインマウスを用いた解析
Project/Area Number |
14770298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神山 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30296553)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / 疾患モデル動物 / 変異ノックインマウス |
Research Abstract |
我々が開発した新規の家族性アルツハイマー病動物モデルであるV642I-APP点変異ノックインマウスは、一連の解析から、加齢時(27-29か月齢)において脳内β-アミロイド(Aβ)におけるAβ1-42(43)/Aβ1-40比の上昇、および高次脳機能における変化として潜時学習記憶能力の低下を示すこと、その一方で神経細胞脱落や老人斑形成、神経原線維変化などの高度な器質的変化は伴わないことなどが判明した。行動学的異常の原因としては、アルツハイマー病関連型AβとされるAβ1-42(43)の産生増加、あるいはこれに伴うAPP細胞内ドメインの機能変化による神経機能の障害が想定された。そこで、これら侵害刺激による脳での遺伝子発現プロファイルの変化が本モデルの表現型に影響している可能性を検討するため、29か月齢V642I-APP点変異ノックインマウスおよび同腹野生型個体より採取した脳組織を試料として、改良された差次的発現遺伝子解析手法(ACP-DD法)による検討を試みた。その結果、本手法によって検出された全207種の遺伝子増幅産物のうち18種について、V642I変異に依存する発現量変化の可能性が示唆された。そのうち10種についてはBLAST検索により一意に候補遺伝子が同定されたため、次いでそれら各候補遺伝子に特異的なPCR増幅系を設定し、半定量PCR法による検証を行った。その結果、10種の候補中7種について差次的発現傾向が確認された。これらについてさらにNorthern解析により検討したところ、G蛋白サブユニット、サイトカイン反応性蛋白、シナプス局在分子および未同定新規分子など、少なくとも5種の候補遺伝子について、マウスAPP遺伝子におけるV642I変異が高齢マウス脳でのmRNA発現量変化と関連しており、これらの変化が変異マウスの表現型に影響を及ぼしている可能性が強く示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)